クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
 いっそ盆休みに、ロイドを連れて実家に帰ってみようかと、ふと思った。

 しかし今まで浮いた話の一つもなかった娘が、いきなり金髪の大男を連れて来て、パニックに陥る両親の姿が目に浮かんだ。

 おまけに彼は異世界人です、と言われたら、思考が停止してしまいそうな気がする。

 しばらくは週末に遊びに来る生活が続くだろう。
 そのためには、時間がずれないように改良してもらわなければならない。

 そんな事をとりとめもなく、繰り返し考えている内に、空が白み始めてきた。

 そしてようやく、結衣がうとうとし始めた時、隣でロイドがいきなり布団をはねのけて飛び起きた。


「しまった! オレとした事が!」


 叫びながら両手で頭を抱えたロイドを見て、結衣はひじで半分身体を起こし、何事が起きたのかと思わずうろたえた。


「な、何?」

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