ビター・スイート・ラヴ
 あさみの母親は最近やたらと娘に電話をしてきては、
いい人はいないのと聞いてくるようになった。



 あさみは適当に返事をして早々に電話を切ってしまう。
ただ、いつまでも隠し通す訳にはいかないと薄々感じながら。



 浩輔はあさみのマンションを出て、外堀通りでタクシーを拾った。



 午前二時近くに帰宅した。



 週末ともあって、なかなかタクシーを拾えず、この時間に
なってしまった。



 玄関を開け中に入った。部屋の中はひっそりと静まりかえっている。



 由香はもう眠っているらしい。


 
 浩輔はそっと寝室に入り、パジャマに着替えベットに潜り込む。



 程なくして、浩輔も眠りに落ちた。



 翌朝、昼過ぎに起きてパジャマのまま居間に行くと、由香はバルコニーに
出て、なにやら熱心に作業をしていた。
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