ビター・スイート・ラヴ
 数回の呼び出し音の後に真紀が電話に出た。



「三浦ですけど、お久し振りです」


「ああ、圭子さん。ご無沙汰してます。お元気ですか?」


「ええ、相変わらずよ。実は今度うちの会社でダイソー飲料のスポーツ
ドリンクの広告を手掛けることになったのよ。それで、ぜひ真紀さんの
お力を借りたいと思い連絡してみたの」


「わざわざありがとうございます。私で役に立つことがあるなら喜んで
お手伝させて頂きます」


「いま流行の自転車をテーマに制作しようということになったんだけど、
モデル選びからコピーライトを真紀さんにお願いできないかと思って。
打ち合わせを兼ねて近いうちに会えないかしら?」


「分かりました。明日の夕方以降なら大丈夫ですけど」


「そう、それじゃ明日の夜七時に。神楽坂のイタリアンのお店で待ち合わせ
ましょう」


「了解です。では、明日の七時ということで」



 圭子と真紀は同じ会社に勤めていた頃は、よく神楽坂で食事をしたり
飲みに行ったものだ。


 
 最後はいつも圭子が真紀のマンションに転がり込んで飲み明かした。
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