ビター・スイート・ラヴ
 そうなるとクラスの女子達も知加ちゃんから段々離れてゆくようになり、
気がつくと最後までノートを執り続けたのは、真紀だけだった。



 知加ちゃんは真紀にもつらく当たったが真紀は辛抱強くノートを執り続け
た甲斐あってやがて知加ちゃんも真紀に心を開くようになり、親友と呼べる
仲になっていった。



 知加ちゃんの病気も夏休み明けには徐々に快方に向かいはじめた。 



 相変わらず知加ちゃんは男子からモテた。



 クラスの斉藤と知加ちゃんが付き合っているという噂は真紀の耳にも
入ってきた。



 真紀は内心穏やかじゃなかったが、斉藤と付き合ってることを知加ちゃん
に直接聞くことができずにいた。



 知加ちゃんは真紀が自分に好意をよせていることに薄々気づいていて、
真紀にも思わせぶりな態度をよくとった。



 秋も深まったある放課後、めずらしく教室には誰も居残ってなかった。



 というより真紀と知加ちゃんの二人きりだった。とめどもない話しをした
後で少しの間、会話が途切れた。
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