ビター・スイート・ラヴ
 里子が言うにはミチルの家庭はけっこう複雑で母親(継母)と折り合いが
悪く学校にも馴染めないから不登校してるんじゃないかというものだった。



 同級生は真紀がミチルと席が隣同士なので、授業のノートを執ってやれば
とお節介をやいてきた。



 真紀も仕方なしにそれを引き受けた。



 真紀は「これじゃ知加ちゃんの時と一緒じゃない」と内心毒づいた。



 しかし知加ちゃんの時と明らかに違うのは、その時ミチルに特別な興味
を抱いてなかった。



 真紀の誠意が通じたのか、二学期からミチルは登校するようになった。



 真紀は学校にいる間、できるだけミチルと行動を共にした。



 その頃からミチルの顔にも笑顔が見られるようになり同級生にも徐々に
打ち解け始めていった。とりわけ真紀には。



 二人は学校の帰りに喫茶店に寄って、いろいろな話しをした。将来の夢や
趣味などを飽きもせず毎日、話しをした。
< 69 / 206 >

この作品をシェア

pagetop