イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
逆に言えば、今の入江圭輔が知らないことを、過去に突きつけることができたら……

そしたら、何かが変わるかもしれない。


彼が知らないのは何?

それは……


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1階に駆け下りると、遅い朝ごはんもそこそこにお母さんに聞いた。


「ねぇ、出産の費用って全部でどれくらいかかるの?」


お母さんはぎょっとしてあたしを振り返る。


「あんた、まさか!」


絶句する。

……違うってば。


「違うの、あたしじゃないってば。

ちょっと事情があって、知っておきたいだけ」

「……」
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