イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
黒い瞳がじっとあたしを見ていた。

どこか悲しげな瞳で。


(忍者くん……)


あたしの心臓が、とたんにバクバクと暴れだした。

ぶわっと顔に血がのぼる。


(また、会えた――)


また、来てくれたんだ。

あたしに、会いに――?


(って、どうしてあたしの名前、知ってるの?)


ふと不思議に思って、整った顔をじっと見る。


キリリとした聡明そうな眉。

美しい、夢見るようにきらきら光る黒い瞳に宿る、鋭い知性。

そよ風にさらさらとなびく黒い髪。


「あ……」


あたしは不意にはじかれるように立ち上がった。
< 130 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop