イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
(やっぱり今日なんだ)


あたしは思わず小さくうなずいた。


急に自分の言葉が恥ずかしくなったのか、拓海は急いで続けた。


「呼んでたわけないよな、ミソラをママだなんて。

……自分でもおかしいと思うんだけどさ」


拓海は、整った顔に苦笑を浮かべる。


「毎日毎日、ミソラの自転車に乗って、どっかに通ってた覚えがあるんだけど……」

「……うん」

「最初は勘違いか夢か何かだと思ってたんだけどね。

考えれば考えるほど、細かい部分まで詳しく思い出されてさ。

でも、そんなことは起きたはずがない、ってことも多々あって。

もう、わけが分からなくなって。


……ごめん、こんなこと言われても、ミソラは困るよね」


にこっと笑って肩をすくめる拓海。
< 160 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop