イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
外へ走り出ると、あたしは軽い自転車をこいで、秘密の場所に急いだ。

(あそこからスタートしたい)

あたしの大事な場所だから。

あそこなら、きっとうまくいく。



自転車を川原に置くと、飛び石を渡って小島に上陸する。


(必ず何とかする。必ず――!)


木のふもとで、背の高い草に囲まれて、あたしはリストバンドの日付を合わせた。


2005.11.12


祈るように光る矢印を指でスライドした。


GO!


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家の入口がぎりぎり見える河原に座り込むと。

本を読むふりをしてしばらく張りこんだ。

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