イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
美咲お姉ちゃんが家にいるのかどうかさえわかんない。

無計画すぎて困っちゃうけど、計画の立てようがないんだよね。


(寒いな)


なんせ「夏」から来たから、いくらコートを着ててもずっと外にいると寒さに耐えられなくなってくる。


(どこか暖かいところはないかな)

あたしは辺りを見回した。



と。

向こう岸を歩いてくるカップルが目に入った。

顔は豆粒にしか見えない。

だけど……

あれは、もしかしたら、美咲姉ちゃんかもしれない。


(近くまで行ってみよう)


あたしは素早く立ち上がった。
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