イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
「……なに、あんたら双子?」


(しまった。双子って、余計にインパクト強かったかな……)


そんなことが頭をかすめたけど、もう遅い。

あたしをみつめるこの男の視線、すでに熱っぽくない?

気のせいかな?

普通なら大歓迎のシチュエーションなんだけどな。


(こらこら)


あたしは首をぶんぶん振った。

――あたしがこの男がなびいたら、拓海はどうなる?


(拓海を取り返さなくっちゃ――何としてでも)


あたしは気力を奮い起こした。

何かバカなことをすれば、あたしに幻滅するかな。

……なんて思いながら、ふとさっきのことを思い出した。
< 70 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop