六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
清良がニヤニヤと瑛さんに微笑みかける。
「そうか。そうだな。
その方がいいか?」
「なんでそうなるのよ。
もっとあたし達の事も褒めなさいよぉ。
ホラ、あたしの良いところは?」
「……しらない。
と言うか、あるのか?」
「なんですって!?
あるでしょ、顔とか性格とか!」
「……はぁ?」
「はぁ…って?憎たらしい!」
二人のやりとりに、思わず笑ってしまう。
良かった、昨日の瑛さんはどこか変だったもの。
清良はもともと誰とでも仲良くなれる子だし、
きっと、協力できるようになるよね。
きっと、太一も……。
明るい気持ちでふと横を見ると、
太一がぼんやりテーブルを見つめていた。
その横顔は、見たこともないような憂いを秘めていた。