六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
片付けを終えて部屋に戻ると、
清良が布団を敷きながら話しかけてきた。
「瑛、可愛いとこあるじゃん」
「へっ?」
「姫の作るものはうまいんだ~♪」
「あ、あぁ……
きっと留衣さんに気をつかったんだよ」
「そう?」
フンフンと鼻唄を歌いながら、清良は布団に寝転ぶ。
「あんな事言うやつじゃなかったのにねぇ」
「だからぁ……」
清良は完全に面白がっている。
ちょっと前までは敵視してたのに。
何でかな、と聞こうとすると、ふすまの向こうから声がした。
「姉ちゃーん」
「太一?」
すぐにふすまを開ける。
「なに?またトランプ?」
「ううん……。
ちょっと、いいかな」
「……何?」
「ちょっと、つきあって」
いつもの明るさをなくした太一の表情に、
前に屋上で抱きしめられた事を思い出してしまう。
「うん……」