六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「そ、そんな事……」
なんで見透かされるんだろう。
だって昨日は強引にキスまでされてしまったから、
一人になるのは緊張してしまうのだ。
一人の男である太一と一対一で向き合うのは……やはり、怖い。
「……ごめん……」
でも、向き合わなきゃ。
悪い癖だ……。
すぐ怖がって逃げてしまう。
「わかった、今日は一人で瞑想するよ……」
「よし、精神統一ね!
それなら文句ないわ」
ポンポンと肩を叩く清良の手は、優しかった。
いつも見守ってくれる、大事な友達。
「じゃあ……本当に気をつけてね」
「うん。まりあも」
道場を出ていくあたしに、清良は笑って手を振った。