六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


追いかけて蔵の奥に行くと……。


「にゃー」


アキちゃんが、床にカリカリと爪を立てていた。


「やだ、ダメだよぉ……」


アキちゃんの前足を押さえようとした時。


床に、指先が触れる。


「……え!?」


するとぶわっと白いホコリが舞い上がり、一瞬息ができなくなった。


「ッ、ゴホッ……」


むせてしまい、

涙がにじんだ目で、指が触れた床を見ると……。


「……何コレ」


床に、また扉がくっついていた。


今までなかった黒い鉄の枠が光っている。


「……狭小住宅に人気の、床下収納?」


なわけないか。と自分につっこむ。


《おいで……》


「!?」


頭の中で声がした。


扉の黒い取手が、そう呼びかけている気がする。


「まさかね……」


「にゃあ!」


ここも開けろ!と言うようにアキちゃんがまた爪で引っ掻く。


その時、背後で声がした。


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