六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
それでもあたしは念じてみる。
(お願い。
あなたが長い間守ってきたものを、とったりしないから。
ただ、少しだけ中に入れてください……)
パン。
何かが弾けるような音がして、南京錠を見ると。
「……うわ、開いた……」
「にゃん!」
「はいはい……
ありがとう、すぐ閉めるからね」
外した南京錠にそう言って、扉を開けると、
アキちゃんがタタッと中に入っていってしまった。
「アキちゃん!勝手に行っちゃダメだよ!すぐ閉めるんだから!」
アキちゃんを追いかけ、中に入ると。
蔵全体で、古い木とホコリのニオイがした。
その中は倉庫みたいで、
何が入ってるか分からない木の箱が、棚に行儀良くずらりと並んでいる。
その全てが、“勝手に触っちゃいけない”オーラがムンムンしていた。
……これはマズイ。そんな気がする。
「アキちゃん、早く出よう!」