六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「そこにいるのは誰だ!」
お父さんが畳の床に向かって怒鳴る。
同時に、太一が紙のお札のようなものを取り出した。
「出てこい!」
太一の手から放たれたお札が畳に叩きつけられると。
「きゃあっ!」
また、白煙が立ち上った。
部屋中にそれが分散して、霧がかかったようになる。
「まりあ、あたしから離れないで!」
言われなくても、突然の恐怖に、
あたしは清良の服をギュッと握りしめた。
薬のような臭いが立ち込める。
家族と清良があたしの前に壁を作ると、
煙の中から人影が現れた。