六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「まりあがそう言うからには、根拠があるのね?」
清良が話を聞く体勢になってくれて、ほっとする。
太一も黙って、大きな目をこちらに向けていた。
「あの……岡崎さんって、子供の時からずっと、忍者として活躍してきたんでしょ?」
「うん、留衣さんがそう言ってたね」
「それって……どうなのかな」
二人が首を傾げる。
「あたし達は、優しい両親がいたじゃない?
太一も清良も厳しい修行をしてきたんだろうけど、普通に学校にも行って、友達もいるし。
でも彼は、きっとそうじゃなかったんだよ。
依頼があるたびに各地を転々として……
家族団らんする暇も、友達と遊ぶ暇も、
無かったんじゃないかな……?」
冷え切ったポテトを奪った太一が、
「まずい」という顔をする。
「……確かに、陰陽師や武士と違って、
仕事が広範囲だから……忙しいかもな。
どこも若い人材不足してるし」