遊びじゃない
それが約1週間前、月末で残業を余儀なくされた私が、たまたま1番最後まで残って戸締りをして帰る途中、フロアの端にある休憩室のベンチで横になっている麻生さんに遭遇して。
そりゃあここは休憩室とかかれているけど、ここで実際横になって休む人はまずいない。
片腕で両目を隠すようにして横になっていたから、誰かはわからなかったんだけど、あまりにもしんどそうにしていたから恐る恐る声を掛けた。
「あの…大丈夫ですか?」
頭元での問いかけにピクリとも動かないその人は、心なしか息が荒いような気がして、よくよく見ると腕の隙間からのぞく耳介もうっすらと赤く熱をもっているようで…。
ただ寝ているだけだと安心したい私は、そっと額に手を添える。
…やっぱり、熱い。