遊びじゃない
午前の業務をひたすら自分のデスクから動かないようにやり過ごし、お昼直前に美織をランチに誘う。
「美織、今日は何も言わずに外にランチに行って。」
有無を言わせない強気の態度で発言すると、くるっと体をこっちに向けて探るような目つきで私を見る。
「言うんなら…」
「おごる。」
「じゃあ、Pien」
「2000円ので。」
「…早くいこ。」
予想済みの美織の要求をことごとく先回りで答えると、ニヤリと不敵な笑みをのぞかせる美織はさっさと椅子から立ち上がる。