遊びじゃない

答えのわからない問いを悶々と考えながら、見なれたコンビニの前まで来ていることに気付く。

習慣とは恐ろしいもので、歩いて15分ほどの距離なら意識がなくても辿り着けるみたい。

カンカンとヒールを鳴らして2階までの階段を登る。上がって真ん中にある1LDK。

就職してからずっと住み慣れているココはセキュリティも何もあったもんじゃないけどなかなか気に入っている。
どれだけ大音量で音楽を聴いていてもさほど響かない壁とか、ベランダのまん前にそびえる桜の木とか。
築ウン十年のはずなのに、大家のおばちゃんがせっせとアパート周囲を掃除してくれてるおかげで意外と綺麗な外観とか。


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