届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

学校には行ったけど、1日中心配で仕方なかった。

1日がこんなに不安で長く感じたのは、初めての経験だった。

あの鼓動の意味も気になって。

本当は、絢音に相談したかったけど。

まだ学校には来てなくて。

お兄ちゃんに相談することもできないし。

あの鼓動と感情は…

冬槻先生が亡くなったショックで、あたしの心がおかしくなったから?

一生懸命、理由を考えても。

ピタリと当てはまりそうな理由が見つからない。

お兄ちゃん以外で、こんなに頭の中を埋め尽くすなんて。

自分でもびっくりだ。

霧生くんは大事な友達…だからだよね。

学校が終わると猛ダッシュで病院に向かった。

5階の小児科までエレベーターなんか待っていられない。

階段をダッシュで駆け上がって行った。

息が上がって呼吸するたびに肺が痛む。

そんな状態でナースステーションに駆け込むと、驚いた顔で看護師達が見た。

「…き…き…りゅ…霧生くんは…?」

肩で呼吸しながら、霧生くんの名前を出すのも辛いくらい。

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