届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

辺りは暗くなって、皮肉にも星が綺麗に輝いている。

泣いた顔を上げると、そこは公園の中だった。

ブランコに座り、霧生くんの携帯に電話をかけてみた。

♪~♪~

コール音は鳴る。

でも電話に出ない。

しつこいくらい電話をしても、霧生くんが出る事はなかった。

『霧生くんの嘘つき!!』

それだけメールした。

気休めかもしれないけど、携帯が繋がっている事で少し安心している。

今頃、どこに居るんだろう?

誰かと一緒かな?

そっか…実家に帰ったのかな?

なんて思い込みたくて。

なのに、頭の中には手紙の内容が何回も浮かんでくる。

一人ぼっちでブランコをこぎながら、霧生くんの事ばかりを考えてる。

携帯が繋がるんだから、あの手紙は信用なんかしない。

そう思っても、手紙の内容を思い返すたびに怖くなる。


『チワワへ…

ありがとう。今はこの言葉しかでてこない。

ウソツキでごめん。

でも、耐えられない自分がいるのも確か。

今までありがとう。

ハーゲンダッツ守れなくてごめん。』


本当に霧生くんのウソツキだ!!

止まっていた涙がポタポタと流れ始めた。

♪♪~♪♪~

突然、携帯が鳴り出した。

霧生くん!?

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