届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

28 闇討ち


この先どうしていいか分からない。

疲れきった足を引きずるように、ホテルに戻ってきた。

ホテルは追い出される気配はない。

いつもと変わらない雰囲気。

フロントで鍵を受け取る時も、ホテルの人はいつもと変わらない笑顔だし。

住む所は失われずに済んだ。

それには少し安心。

部屋に戻ってベッドに飛び込むと、昼間の疲れが鉛のように体を襲ってくる。

今日は、動くことも出来ない。

疲れに逆らうこともなく、まぶたを閉じると。

そのまま眠ってしまった。

次の日、目が覚めたのは昼過ぎ。

気だるく重たい体を起こすと、一気に空腹が襲ってきた。

まるで冬眠から覚めた熊。

ベッドから降りる気にもなれず、枕元の電話を取りルームサービスを頼んだ。

ルームサービスが届くまで30分。

2度寝体制に入っている。

眠いはずなのに、お腹が空き過ぎて眠れない。

ゴロゴロとベッドの中を何往復もしていて。

ピンポ~ン…

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