届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

お姉さんはそのまま、大学が忙しくて夏休みも冬休みも帰って来れなくて。

オレは彼女から話を聞くくらいだった。

まだ、オレは中学生だったし。

会いに行くことも出来なかったから。

そのまま、中学を卒業して高校に行って。

彼女は、相変わらずお姉さんの妹だった。

「大学どうするか?」

なんて、二人で話したりしている時期に。

大学を卒業した、お姉さんと彼氏が同じ職場になれたって聞いた。

お姉さんの言っていた

『一生側にいると思う。』

って、言葉が本当になっていると思った。

それでオレ達も

「そんな、カップルになれたらいいな。」

なんて話していたんだ。

それなのに、しばらくしてお姉さんが彼氏と別れたと聞いた。

イロイロすれ違いがあってって。

オレは、お姉さんが心配になって会いに行こうとした。

結局は行けなかった。

彼女が引きとめたんだ。

くっついたり、離れたりはいつものことって笑っていて。

何もしなくても、あの二人は大丈夫って。

それでも胸の中はモヤモヤしていて…

大丈夫なはずなんかないって。

お姉さんが、誰より彼氏が大好きなのを知っていたから。

だけど彼女は行くなと言うし。

モヤモヤ状態を抱えたまま過ごしていた。

数ヵ月後、彼女の言う通り二人が戻ったと聞いた。

その時は、どんなに嬉しかったか。

…その数日後、お姉さんは実家に帰ってきた。

法事があってね。

数年ぶりに会ったお姉さんは、前にもましてキレイになっていて。

幸せいっぱいそうな笑顔をしていたのに。

その2日後、何があったわけじゃない。

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