届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「あたし、ヤルんだったら秀がいいわ。」
あきれて言葉も出なくて。
苦笑いしながらイヤミのように冗談で返した。
「…そうか……残念だった。やる気なさそうな顔して言われると、義務っぽくなるからやりたくないんだよね。」
秀も顔は残念そうに装って、冗談で返してくる。
秀の肩にもたれかかっている女の子も、あたしを襲った名前も知らない男の子も、みんな冗談って分かっているから笑っているのに。
「やっぱり、ホテルで何かあったんだ…。」
チラリとあたしと秀の顔を見ると、尚吾がひとりビールを飲みながらふて腐れてブツブツと独り言。
「何かあったら、やるんだったらなんて言わないだろ?大体、ショウゴンの大事な人だろ?」
まるで捨てられた子犬に話しかけるように、優しい口調で秀が笑った。
「えぇ~、私だったら尚吾君とも、エッチしたいけどな?」
秀の隣の女の子が少し身を乗り出しながら。
尚吾を見る目がハートになった。
「何だよそれ?」
「だって、ジキルとハイドって話だよ?」
「何?ジキルとハイドって?」
二重人格のお話と秀と尚吾が関係ある?
眉をゆがめながら、女の子の顔を見た。
「噂だと秀くんは優しくて、尚吾くんは真逆で激しいって話だよ?」
ニッコリと笑う女の子とは正反対に。
視線をそらしながら、思わずため息が漏れる。
そんなのが楽しいかな?
試したいって…
ホント、この人達の中では、カラダの関係とか試供品感覚なのかな?
なんて、呆れてしまう。