届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「冗談だよ!?ビックリした?」

そう言って笑った。

「ひっど~い!!本当に、ビックリしたんだから!!!」

眉を思い切りゆがめて。

腕を組んでフイッと横を向いた。

「ひねくれている割には、意外に純粋なんだな。」

笑っている霧生くんに、腹が立って仕方ない。

なんか、バカにされているみたいで。

「霧生くん、最低!!!!!」

眉はより深くゆがんでいく。

「ごめん。ごめん…イチゴパフェ食べる?」

冗談半分に笑いながらメニューを差し出した。

本当だったら、それも怒りたくなるくらいだけど。

イチゴパフェには罪はない。

「うん!!食べる!!」

一瞬にしてご機嫌になった。

その姿を見て、まだ霧生くんは笑いを堪えている。

「食べ物に釣られて、変な人に付いて行くなよ?」

「変な人、ここにいるじゃん。」

ピシッと霧生くんを指差した。

ピタリ…と霧生くんの笑いが止まった。

「本当にひねくれているな。」

「あたし十分素直じゃん。」

それ以上、霧生くんは何も言わなかった。

口がモガモガしていたけど…。

チーズハンバーグとデザートのイチゴパフェをたいらげ、霧生くんの家に帰った。


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