届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
「そういう趣味。あの彼女は受け入れてくれるかなぁ?」
ニンマリとゆるむ口元。
「だ・か・ら、職業道具です!!大体…彼女とは、そういう……」
視線をうつむかせながら。
言葉にならないその先を
モゴモゴと口を動かしている。
それを見て、大笑いするあたし。
最近は2人でクダラナイ話しをして、よく笑うようになった。
部屋中に響く笑い声。
海翔も以前より早く帰ってきて、二人でご飯を食べたり。
あたしも家にいることが多くなった。
だけど、二人ともそれを口にしない。
触れてはいけない部分ではなくて、それが日常になったから。
そんな毎日の中、あたしの誕生日がやってきた。
「お~い。ドアを開けてくれ。」
そう言いながら海翔が帰ってきた。
「どうしたの?」
両手に抱え切れないほどの花火を持っている。
「誕生日プレゼント。」
「本当に花火買ってきたの!?」
びっくりだ。
半分冗談だったのに。
「買って来たと言うか…」
言葉に詰まって、何かを考えている。
「まさか、本当に鑑識から火薬パクった?」
一瞬にして顔が引きつった。
まさか、本当に職権乱用しちゃったとしか思えなくて。
「するか!!まあ…押収品。」
ボソッと言った。
「押収品?」
「ちょっとな。河川敷で騒いでいる青少年たちに声をかけたらくれた。」
「職権乱用じゃん!!」
「失礼だな!!職務質問かけて、話の流れで花火くれって言ったら、どうぞ持ってってくださいってくれたんだよ。」
「それが職権乱用じゃないの?」
「いや。脅迫したわけじゃないし。」
「なにそれ?」
「いいから。花火しにいくぞ!!」
そう言って部屋を出て行った。