涙が途絶える日まで

初デート!?


や、やばいぞ。
さっきから心臓のばくばくが止まらない。
どうしよう。
いまさら引き返せません。

うぅ・・・。

今日は記念すべき第1回目の

「初デート」でございます。

來弥が私の行きたそうなところを考えて


先週の日曜日に

〈来週の日曜日、映画いかない?〉

って誘ってくれた。

彼氏できて公園で逢うことはあったけど

13年間生きてきて

デートなんて初めてでございますー

お恥ずかしい。

昨日は梓が買い物に付き合ってくれて

服とかアクセとか

その他もろもろ買えたから

見た目準備満タンなんだけど・・・

てかむしろ気合い入れすぎってくらい。

でも気持ちがぁ・・・。

ーなんて考えてるうちに

着いちゃったよ。

駅。

いるし。てか

20分も遅刻したし。

さてどうやって近くに行こう。


『遅れてごめーん!待った??ってのもなんか

 そりゃ20分過ぎたわけだし待ったに決まってるよ。

 じゃあ、ごめん。緊張しちゃって・・・。

 あ、それいいかも。じゃあ・・・
 
 ごめんね。緊張しちゃって。行こっか?』


これでいいか!

さっきから1人でしゃべってる私は

一般の人からみたら相当な変人であろう。

気にしない気にしない!いくぞ私!!

『ごめんねー!きん・・・』

「おっそ。」

おや?予定と違うぞ?

「どーする?行くの?」

え、行かないの!?

『どっちでもいいよ』

え!?

私こんだけ準備して練習して・・・

結局行かないの!?

「映画間に合うかな。」

『わかんない・・・』

あ、私のせいか。

「ならじゃんけんして俺が勝ったら行こう。」

なにそれ。

普通そんな決め方します?

時間の無駄じゃん。

てか私勝っちゃったらどうすんの!?

いいのそれ?

『わかった!』

『「最初はグー!じゃんけんポンっ!」』

あ。

「負けた。」

まさかの勝っちゃったぁ!!

どうすんだろ?

帰るのかな?

「じゃ行くか。」

うぅ。地味に楽しみだったのに・・・。

『・・・やっぱり・・・』

「うっし。お前suica?」

『へ・・?いや、あうん?』

どこ行く気?

「今なら間に合う!いそげっ!!」

『え、映画!?』

「おう!」

わぁあ。よかった。うふふ。にやけちゃう。
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