あのこになりたい
綾とこんなに大きなケンカをしたのは初めてだった。

外側からだけでは人の心の痛みや苦しみなんてわからない。



綾が笑っているから大丈夫…


幸せなんだ…


そう決めつけていた。



無神経なのは私の方だった。


自分だけが苦しくてつらい思いをしているって思ってた。



自分にないものを持ってる綾を妬んで、恨んで。



それはまるで、ないものねだりしてだだをこねる子どもみたい…



自分が情けなくなった。



でも綾とわかりあえたから。



仲良くするために我慢したり、本当の気持ち隠して笑ってても…


何も楽しくなかった。



綾と私は初めてわかり合えたのかもしれない。



初めて心から笑い合えたような気がする。



ケンカって本当につらい。

なるべくならしたくない。

< 120 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop