あのこになりたい
「わかってるって!」


私は恥ずかしがりながら、シュンと手を振った。



「咲、すごい似合ってるよ!」


シュンが言った。



「おばあちゃんがね、着物と浴衣を送ってくれるの。だから、毎年着物着て写真を送るんだ」


私が言うと、シュンが驚いて、


「…お嬢様?」


と、言った。



「違う違う。あ、でもお母さんはお嬢様だよ、たぶん。お母さんのお母さんが着物送ってくれるおばあちゃんだからね。でも、孫で私だけなの、女が。だからじゃないかな?」



私は、内股で歩くように意識しながら歩いた。



神社に着くと、さすがに人がたくさんいて、私とシュンは手を繋いだ。



「シュン、マフラーしてくれたんだ…帽子も」


シュンを見て言った。



「気に入ってるんだ」


シュンは笑顔で言った。



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