あのこになりたい
「あれ…綾と幸輔…?」


見覚えのある後ろ姿…



「なんかケンカしてない?」


シュンが言った。




近づいて行くと、二人の声が聞こえる。



「今、絶対あの子のこと見てた!」


「見てねぇよ」


「見てた。鼻の下伸びてたもん」


「気のせいだって!」


「悪かったわね、筋肉質な足で!!」


「なんも言ってねぇじゃん!」



新年からまたくだらないケンカを…



「誰の足を見てたって〜?」


後ろから声をかけると、二人はビクッとなって、振り向いた。



「なんだ、咲かぁ…」


綾はそう言った後、


「咲、今年はこの着物?かわいい」


と言って着物を見た。



「岡田すげぇ似合ってる!」


幸輔に言われて少しはにかむと、左右から痛い視線が…


「いや、今のは幸輔じゃない人でも嬉しいよ?」


私の言葉に、


「俺、傷つくし…」


幸輔が言った。



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