あのこになりたい
「うん…」


と言ったきり若菜さんはまた黙り込んでしまった。



一体どうしてしまったのだろう。


私は若菜さんが何か言うのを待ち続けた。



でも、一点を見つめたまま何も喋らない。



「あの…お兄ちゃんに会いに来たんですよね…?何か用事があったんじゃ…」


私が話していると、若菜さんの瞳から涙がポロポロこぼれた。



「何かあったんですか…?」


私はわけがわからず、若菜さんにとりあえずハンカチを渡した。



「生理が遅れてて…」


若菜さんの口から出た言葉に、一瞬ホッとして、次の瞬間に焦りが込み上げてきた。



「え?」



私は固まった。



「それって…」


言葉に詰まった。


若菜さんは泣き続けている。



「調べたんですか?」


私が聞くと、若菜さんは首を横に振った。



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