あのこになりたい
私はとにかく私が冷静にならないと…


そう自分に言い聞かせた。


この様子ではたぶん誰にも言ってないのだろう。



「とにかく…調べてみましょう」


私は若菜さんを連れて喫茶店を出た。



近所の薬局はやっぱりまずいので、ひと駅向こうの駅前の薬局に行くことにした。



「き、緊張しますね…」


私と若菜さんは検査薬のありかを探し回った。



「あ、あった…」


若菜さんの声の方を見ると、CMでしか見たことがない妊娠検査薬が置いてあった。


私は深呼吸して、検査薬を手に持った。



「これだけって…ちょっと勇気いるよね」


若菜さんの言葉に私も頷いた。



私達は買い物カゴの中に、手当たり次第物を入れてレジに持って行った。



検査薬だけ個別に丁寧に紙袋に入れられた。



私達はゆっくりできる場所として近くにあったカラオケに入った。



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