あのこになりたい
「幸輔、買う気なんじゃないの?」


私が笑いながら綾に言うと、


「無理無理。だって幸輔貯金ないもん」


綾がため息をついて言った。



「じゃあこれから貯めるのかも」


若菜さんが言った。



「だといいけど…」


綾は呆れた顔で笑った。




「咲ちゃん、シュンのお嫁さんになるの?」


空が聞いた。



「うん、そうだよ」


私がしゃがんで空に答えると、


「僕が咲ちゃんと結婚しようと思ってたのに…」


空はほっぺたをぷくっと膨らませて言った。



「え〜!そうだったの?」

空の顔を覗き込むと、


「もう!咲ちゃんは鈍いんだから」


ふぅ〜っとため息をつかれた。


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