あのこになりたい
大嫌いなゴールデンウィークが開けて、また学校が始まった。


家にいる時間が長くなる連休は大嫌い。


朝、シュンからメールがあり、今日も一緒に帰ることになった。



シュンはお兄ちゃんに会うつもりなのかな…


もしも、兄ともめてシュンのイメージが悪くなったら母はシュンと兄を二度と会わさないだろう。



どうしよう。


不安で胸がいっぱいになる。



「よ！」


シュンはいつもの笑顔で近寄ってきた。



「あ…」


私は、考え込みすぎてシュンが電車に乗ってきたことに気付かなかった。


「今日岡田に会いに行ってもいい？」


やっぱり…


「いきなり来ても…お兄ちゃんやお母さんが…」


シュンに頼りたい気持ちもあるけど、シュンに日常を崩されることを恐れているとこもある。


矛盾だらけだ。


「待ってても岡田からは会いに来てくれないだろ？」

シュンの言う通りだ。


< 32 / 201 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop