あのこになりたい
出てきたのはマンガとスーパーファミコンとカセット。


「今どき…スーファミって…」


兄はゲームなんてもちろん持ってなかった。


母が勉強の邪魔になるからと言って買い与えなかった。



「お兄ちゃんゲームなんかするの?しかもマンガとか…」


私は不思議に思って聞いた。


「有田の家でやってたんだよ。子どもの頃…」


シュンってなんか大人なのか子どもなのかわからないな…


「やってみれば?」


私はからかうように言うと、


「やらないよ」


兄からは冷めた答えが返ってきた。



やっぱり子どもじゃないんだから。


こんなお楽しみグッズじゃね…


部屋に戻ってシュンに電話したけどシュンは出なかった。


「いつでも連絡してとか言ってたくせに…」


私はベッドに寝転んだ。



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