あのこになりたい
内線が鳴り響く。


夕食の時間…


シュンは誰と食べてるのかな。



内線を切った直後に、携帯が鳴った。


シュンだ…


「もしもし…」


「あ…電話した?ていうか大丈夫だった?」


「大丈夫…知らない人のふりなんてして…」


「ごめん…でも咲と会いづらくなるのは嫌だったから」


シュンの言葉に少し嬉しくなる。



「あ…じゃあ…」


「ご飯?俺も今から。また連絡するよ」


シュンは何でもわかってるんだよね。


「うん、またね…」



私はキッチンに向かう途中で、兄の部屋に寄った。


ドア越しに耳をすましてみるとなんと…


ゲームやってる…!!


「ぷっ…」


思わずふき出すとドアが開いた。


「わっ…ごめん。ご飯は?」


兄は少し気まずそうに、


「部屋で食べる」


と言った。



やっぱりお兄ちゃんもゲームしたかったんだなぁ。


勉強が好きなのかと思ってたけど。


我慢してたんだな…

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