星になるまで☆短編
忘れないで
「もしもし…?」
受話器の向こうから聞こえるかすかなおばさんの声。
「斗真が…今…息を…引き取った。」
あたしは受話器を手から滑り落とした。
「う…そだ。」
あたしは涙すら出なかった。分かんなかった。何が分からないのかも分からない。全部分からない。斗真くんはあたしの大事な人。だから消えるなんて…
消える…?誰が?
“斗真が…"
「ぃ…っ…いやーっ!」
嘘だ。
嘘だ。ばか。あほ。
嘘だよ。何で?
どうして?だって…
斗真くんは……
何で…ですか?