新・監禁ゲーム
遥斗が薄暗い道を歩いていると、前方から何か音がする。
その音は次第に大きくなり、段々と人間らしきシルエットが目に入る。
すると、遥斗は気づく。
人だ、と。
知らない誰かと出会うことに、ここまで喜びを覚えるということは、どれだけ不安だったかわかる。
遥斗は急いでそのシルエットに近づくと、その正体はスーツを着た40半ばの男性だった。
「よ、よかった。初めて自分以外の人に会いましたよ」
遥斗が喜んでそう言うと、男性は一生懸命頷いた。
「うん、うん。僕もそうだよ。こんな場所で、1人は不安だったよ。よかったぁ」
名前を聞くところ、男性の名前は竹田 正一(44)。
竹田も気づいたらこんな場所にいて、途中から記憶がなくなっていた。
つまり遥斗と同じ状況だった。