新・監禁ゲーム
扉を開けると、目の前には小さな空間に1台のエレベーターが設置されていた。
乗り場にぶら下がっている看板には、コノエレベーターニ乗リ、次ノステージヘト進ンデクダサイ、そう書いてあった。
それを目にして、遥斗は言葉を失った。
もう終わったんじゃ…まだ続くのか、と。
誰も先ほどで終わりとは一言も説明していない、遥斗の勘違いに過ぎなかったのだ。
しかし、遥斗の心には怒りと絶望しかなかった。
知人に裏切られた、それと似た感情が生まれる。
「…ふ、ふざけるな!」
遥斗は先程出てきた扉を開こうとしたが、既に鍵が掛けられていた。
「!…くっそ…」
遥斗の右拳がドアに当たると、その半音が空間に鈍く響く。
「帰せよ…帰してくれよ…」
遥斗の消えそうなその声は、無情にも叶うことはなかった。
覚悟を決めたのか、しばらくして遥斗は振り返り、恐る恐るエレベーターへと向かう。
このエレベーターに罠でも仕掛けられているんじゃないのか。
そう考えたところで、答えはわからない。
無意味ってことはわかってる、ただ脳裏が勝手に最悪のイメージ映像を流すのだ。
例え、エレベーターに仕掛けがなくても、この先に今までの日常を取り戻す希望はあるのか。
玲奈…君は大丈夫なのか。
それはわからない、ただわかることは乗るしかないということ。
息を吸い込み、深くそれを吐いた。
遥斗はエレベーターを見つめ、足を前へと出す。
遥斗が乗り込むと、エレベーターは上へと走り出した。