君と恋に堕ちた事について
月曜日、案の定オレは噂の的だった。

机の上の電話が鳴った。専務からだ。

友紀子を紹介してくれたのだ。怒り心頭であろう。

専務は、オレを汚い物を見るような目で見た。


「何が言いたいか分かっているな?」

オレはうなずいた。

「私の見る目がなかったって事だ。友紀子のご両親には黙っているが。」

専務は、オレに紙を渡した。

来月から、名古屋に異動だ。

「分かりました。」

オレは部屋を出ようとした。

「人を傷付けては、幸せにはなれないぞ。彼女の事だって幸せに出来っこない。」

「彼女だけは、幸せにします亅

専務は、溜め息をつき窓の外を見つめた。
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