君と恋に堕ちた事について
退屈な1日が終わり帰り支度をしていると


「下山さん!」

と麻実の名字を呼ぶ声がして、オレも思わず顔を上げ、声の主を見た。


オレの部下の山里裕也だった。

「下山さん、これから一緒に食事でも、どうですか?」


麻実は山里を見上げていた。


オレは、誘いを断ってほしいと念じた。


「ゴメンなさい。今日は、ちょっと…」


「いや、こっちこそ急に誘っちゃって、すみません。」


「また、今度誘ってくださいね。」


「いいんですか?」


「もちろんです。」


麻実は、山里に微笑みかけていた。


山里は女子社員に人気がある営業係長だ。


麻実も、ああいう男が好きなんだろうか?
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