君と恋に堕ちた事について
結局、翌朝までメールの返信はなかった。


玄関で靴を履いていると、友紀子が言った。


「今日は、遅いの?」


「どうかな。」


「私、今日は博美と会う約束してるの。」


「分かった。飯は外で済ませてくるよ。」


「ゴメンね。」


「いや、いいよ。じゃ。」


「行ってらっしゃい。」

友紀子が笑顔で手を振って、罪深いオレを送り出した。
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