子ネコのように抱きしめて
「陽平……」
「ん? どうしたの?」

子ネコに向けていた笑顔をそのまま向ける彼。

「……陽平。ミーちゃんみたいに私を抱きしめてくれる?」

突然の私の言葉に、陽平はポカンと呆気にとられた顔をしていたけれど、一瞬間をおいてから立ち上がり、ミーちゃんを籠の中へ入れて戻ってきた。

「ミーちゃんみたいに抱きしめるだけでいいの?」

彼の指がゆっくり私の唇をなぞる。

「え……う、うん」

今さら抱いて欲しいなんて恥ずかしくて言えない。私の好きな彼の男らしい長い指。その指で頬をなぞり、耳朶に触れ、ブラウスのボタンに触れて欲しい。


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