なんでも屋 神…最終幕
「ご依頼内容というのは、選挙の手伝いか何かですか?」



選挙に直接に関わった事は無いが、金と人手は幾らあっても足りないという事ぐらいは、書生の意味を知らないと思われた俺でも知っている。



一瞬にして暗鬱な表情に変わった男性を見て、直ぐにその線は消え去った。



年齢の割りに、感情表現は素直すぎる。



「現市長が任期満了に伴い、今は市長選が行われているのをご存じでしょうか?」



噛み砕いた言い方には、曖昧な返事しか返せなかった。



俺は行政を頼る所か、信用すら全くしていない。



選挙前の公約だけ大層ご立派な綺麗事を並べ立て、当選したら記憶障害になったような顔をする事など、今時小学生でも知っている。
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