なんでも屋 神…最終幕
それなら何も問題は無いと思うが、話しの風向きを見て口を摘むんだ。



小関さんの言いたい事は、この先に隠されている気がする。



「今の状勢から見て、入ってくる見込みの財源は別の場所に回されるでしょうし、もし仮に建て直したとしても、新施設という事で入居料は跳ね上がると思われます。」



なんでも屋を訪れた時の、営業マン風な小関さんは何処かへ消え去ってしまったかのように、目の前の小関さんは真剣な表情を崩さない。



眼鏡のレンズを通して、強い意志が見て取れる。



危うく何も聞いていないのに、依頼を受けてしまいそうな目力と話し方。



その熱い意志を裏打ちするかのように、ガラスの泉にぷかりと浮かんだ最後の氷も、今完全に消えていった。



「ご依頼というのは、選挙が始まる前から、何者かの手によって続けられている、[赤とんぼ]への嫌がらせを止めさせて欲しいのです。」
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