なんでも屋 神…最終幕
最終幕第七章
眠りから目覚めると、空に横たわっていた群雲は姿を消していた。



晴天の名に相応しい、雲一つ無い青空。



身体の節々を鳴らし終わると、ガラステーブルの上に置かれたタバコから、一本取り出して火を付けた。



肺に染み込んでいく煙が、徐々に目覚めつつある意識を揺さぶっているように感じる。



夜は[赤とんぼ]に行かなければならない為、俺の体内時計は少しずれ始めている。



現在の時刻は朝ではなく、午後十二時過ぎ。



灰皿に穂先を転がし、一本の立ち上る煙を部屋に残し、今度は身体を目覚めさせる為、日課になっている目覚めのシャワー向かう。



久々に昨日は、一葉が自分の家へと帰った。



独り占めしたベットは、少しだけ持て余してしまったようで、何だか悪い気がした。
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