なんでも屋 神…最終幕
「男からの説教なんて聞きたくない!もういい、行こ優香。こんな人に頼らなくても、自分で見つけ出してみせるから。」



あんたの次はこんな人ね…それに対しては怒りも覚えない。



俺は依頼を断ったのだ。批判を受けるのも仕方ない。



「どっちにしろ、帰りはヒロが送っていくんだろ?俺はヒロと話しが有るから、二人は一葉の居る[トレイン]で待っててくれ。」



乱暴に椅子から立ち上がった千里は、強引に優香の手を引いて事務所を出て行った。



年季の入ったドアの蝶番が軋む音を聞きながら、俺は事務所に静寂が訪れるまで口を噤んだ。



「依頼を断られた今、神と話す事なんて何も無いぞ。」
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