なんでも屋 神…最終幕
「…そうか、色々と教えてくれて有り難う。」



二人の固い絆で結ばれたピアスを見て、俺は出来るだけ爽やかな笑顔を心がけて笑った。



それが二人の思いの強さに対する、俺が出来る精一杯の返答ではないかと、そう感じたから…。



優香の言う通り、涙を流すのは未だ早い。



千里は今生きている…その現実を見る方が先決なのだ。



行ってしまった千里を、足早に追いかけていく優香を見つめ、俺のするべき事に答えが見えた気がした。



自販機の脇に設置されているゴミ箱に空き缶を突っ込み、引き受けない依頼の為に、なんでも屋の夏が幕を開ける。
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